千鳥の漫才について 2
今回も前回に続いて千鳥の漫才について書いていきたいと思う。
2.声色
どういうことか分からないヘッズが多いだろうが、私は千鳥の漫才の良さの一つにこれを挙げたい。
漫才というのは芸人さんという「人間」らが発する言葉・声によって成されている。
千鳥はM-1グランプリにおいて2003年・2004年に決勝戦に進出するなど、高い評価を得ていたが東京の人間にハマるのには時間がかかった。
私はここ最近の二人の声色の変化、それにともなう二人が醸し出す空気感が千鳥の漫才に磨きをかけたのだと考えている。
ノブさんの声は張りのある若い声から、少し低くなり唯一無二のしゃがれた声に変わった。
そして大悟さんの高かった声は、落ち着きのあるより聞き心地の良い声になった。
「その声で言えばもう面白いよ」と無意識のうちに受け手に刷り込まれているのだ。
芸人さんは不思議と年を取れば取るほど味が出てくるのが常である。この二人に限ったことではないが、千鳥の漫才を見ているとそれが顕著である。
同じネタであっても、時間が経つにつれ少しずつ変わっていく。漫才というのはそういった変化も楽しめるものだと思う。
今回は少しズレた視点から千鳥の漫才を見てきたが、次回は「千鳥の漫才について」の最終回を書いていくゾヨ。
春の陽気に身を任せ、凧揚げに行ってきます。
それではまた次回!!
千鳥の漫才について 1
ORICONによる2017年ブレイク芸人ランキングでも3位にランクインするなど、正に飛ぶ鳥を落とす勢いのお笑いコンビ千鳥。
今日はこの千鳥について、特に彼らの漫才についてお話ししていきたいと思う。
今やバラエティで見ない日がない彼らだが、世にその名を知らしめたのは紛れもなく彼らの漫才だ。
千鳥の漫才の「すごさ」には多くの要素が隠れている。そのひとつひとつを見ていこう。
1.ワードセンス
これはもう別格。もう全盛期の松坂大輔くらい。
千鳥のブレイクのきっかけとなった「クセがすごい」もさることながら、大悟さん・ノブさんのどちらもがその時々に見合うパワーワードを生み出す。
素人のみならず、今の若手芸人さんは無意識にノブさんのツッコミを真似てしまうほどなんだとか。
「○○じゃ」や「大○○」は分かりやすいが、ツッコミとして単語だけでツッコむというのも千鳥が浸透させたのではないだろうか。
このように言葉や言い回しを世の中に定着させるというのは芸人としてかなりの影響力を持っていることがわかる。
「スベる」などの言葉を世の中に流行らせたあの松本人志に通ずるところがあるのかもしれない。
今風に言えばインフルエンサーなのである。もうすっごくインフルエンサー。
NHKの勧誘が来たので今日はこの辺で筆を置こうと思う。千鳥の漫才2に続く……